「はは、悪い悪い」

「笑いながら言われても、ゆるせないよー!心配したんだからね!」

「悪かったよ。ミカの反応がおもしろくて、つい、な」

「つい、じゃないよ!もう……」

 あたしが頬を膨らませて見せても、相変わらずダネルは笑っている。

「珍しいですね、あなたがふざけるなんて」

「まぁ、ミカの反応を見るとふざけ甲斐があるからな」

 ーーあたしって、そんなにおもしろい反応してるのかな……?

「……むぅ」

「ほめてるんだ。あんたを見てると楽しいからな」

 本当に楽しそうに笑いながら言われると、なんだか怒れなくなる。
 
 ーーこれはとてもずるい気がする……けど

「んー……楽しいなら、いっか!」

「ミカさんは心が広いですね」

「そんなことないけど、楽しいなら、楽しいもんね」

 そう言うと、二人とも顔を見合わせて笑ってしまう。ひとしきり笑うと、ダネルが眠そうにあくびをした。

「ふぁ……、俺ももう少し寝る。目が開いてても生きてるから、気にしなくていいぞ」

「あ、うん。おやすみなさい」

「おやすみ」