オレンジ色のチキンライスの上には、とろとろの黄色い半熟のたまご。


そして、赤いケチャップがたまごの上に細い波線を描く。


見た目と言い、匂いと言い、完璧であった。


後は、肝心の味。


悠は『いただきます』の言葉もそこそこに、一口。


「・・・どお?」


乃莉子は、スプーンを持ったまま悠に尋ねる。


「うンめぇ~!!」


悠は瞳を輝かせて、乃莉子に最上級の褒め言葉を伝えた。


それは悠の、本心からの言葉であった。


悠は夢中で、オムライスを口一杯に頬張る。


そんな悠の姿が嬉しくて、つい乃莉子は気を抜いてしまった。


「ほんとに?よかった・・・。」


悠の感想と、美味しそうに食べる姿に、乃莉子はニコっと微笑んだ。