どっちみち、乃莉子もお腹が空いている。


やるせない思いを抱えながら、キッチンへ向かった。


冷凍してあるご飯を“2人分”電子レンジで解凍して、手早くチキンライスを炒め始めた。


「うわぁ・・・。
そそられる匂いだな。」


悠がたまらず、感想をもらした。


「そぉ?」


褒めてもらえば、乃莉子だって嬉しい。


つい、返事を返してしまった。


出来あがったチキンライスを、お皿にスタンバイしてから、ふわふわの半熟スクランブルエッグを作り、そっと上にかけた。


「出来たよ。」