乃莉子は続ける。


「そもそもあなた、ウサン臭いのよ!
朝のコスプレだって、いつの間に着替えたの?
天使だなんて言って…。
マンガの世界じゃあるまいし、私が信じるとでも思った?
それに、メルヘンで働くだなんて…あなた可笑しいんじゃないの?
いったい店長に、何したのよ。
私の事も、脅したくせに。
もうっ!とにかく!
早くここから、出て行ってよ!」


ハァハァと息を切らして、乃莉子は一気に言い終えた。


慣れない事をしたせいで、顔は真っ赤になっている。


見ていたテレビに背を向けて、悠は仁王立ちしている乃莉子を見上げた。


うるさいなぁ…と、言わんばかりの悠の表情。


反面、自分に意見する女に初めてお目にかかった悠は、心なしか嬉しそうでもあった。