いつの間にやら「行為」を終えたらしいユッコは、まだ少し荒い息を整える為だろうか、数人の男と共にテーブルと椅子のある方へ行ってしまった。
その去り際、ユッコは、アスカの方を振り返って冷たい笑みをその目と口元に浮かべたのだった。
『………ドウシタノ………?
アナタ、ハジメテジャナイッテ、イッタデショ?』
アスカには、ユッコの笑みがそう語りかけているとしか想像出来なかった。
『……セイゼイ、アジワイナサイヨ。
イママデノ、ワタシノクルシミヲ……。』
(分かってるわよ………、そんな事………。)
……そう。
分かって、いるのだ。
こんな事が、決してユッコに対する贖罪になんか、なりはしない事を………。
だがその一方で、アスカは自身の心の中にある「理性」──────「貞操観念」や「罪悪感」、「恐怖心」………そういったモノが、何故か真夏の太陽の下の氷細工のように、溶けて無くなっていくのを感じていた……。
(………あ………れ…………………?
………なん………だっ……け…………?)
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