「こんばんわ、真田柚奈(さなだゆな)です。」

「ほんとに…優ちゃんの彼女なの?」

「うん。優の妹の実空ちゃんだよね?」

いもうと……

「優からよく実空ちゃんの話きくよー♪」

「そうなんですか。」

優ちゃんは私の事を妹って言ってるんだ。

妹って辛いね。
血も繋がってないのに妹扱いされて
恋愛対象外。

私は優ちゃんの妹なんかじゃないのに。

「とりあえず、今日は泊まってけ柚奈。」

「ありがとう。」

あれ?
優ちゃんがいつもの優ちゃんじゃない。

なんだろう…
なんか男らしい。

私と喋ってるときとは大違い。
たった2歳しか変わらないのに…
なんなのこの差。

「実空もー!!風邪引くから早く家入って寝ろ!明日学校遅刻するぞー?(笑)」

「大丈夫だよ。」

子供扱いばっかりしてさ……
私は子供じゃない。

私はびちゃびちゃに濡れたTシャツを握りしめて
その後何も言わずに家へ入った。

「ちょっ!びちゃびちゃじゃない!早く着替えなさい!!」

「分かってる。」
 
私は自分の部屋へ行き着替えてベッドにダイビングを
した。

次の日。

昂が家のインターフォンを鳴らした。
珍しい、珍しすぎる。

「はい。何?」

「学校!!…一緒に行かないか?」

「別にいいけど。」

一緒に並んで歩いていても昂はなんにも言わない。

沈黙を破ろうとした私より昂が先にその沈黙を破った。