「うん……。」

「俺がさ、実空の思ってることを全部受け止めてやる。」

「ありがと。」

全部?
それは私の優ちゃんを想う気持ちも?……
違うよね……
この気持ちは迷惑なんだよね。


また学校がはじまった。

ーピンポーンー

誰だよ、まったくー。

「はい?誰ですか?」

「あ、実空!優知らねー?」

「知らないよ?優ちゃんどうしたの?」

「いや、いないんだよね…」

「え?」

優ちゃん?なんかあったの?
悩み事?
急に誰にも言わずに居なくなるなんてはじめて。
心配だよ。


「ねー、実空ー!」

「沙耶おはよー!どうしたの?」

「あのさ、優先輩って今朝一緒にきた?」

「いや…なんで?」

「私見たんだよね、優先輩が家の近くで女と歩いてたの。」

「え?優ちゃんじゃないよ。優ちゃん彼女いないもん。」

「おかしいなあー。」

優ちゃんは私になんでも話してくれる。

それに昂もそんなこと一言も言ってなかった。

だから彼女なんていないはず……

私は優ちゃんに電話してみた。

でも優ちゃんは出なかった。

教室の席が窓際な私は今日は珍しく一睡もせず

優ちゃんが来るのをずっと待っていた。

でも結局優ちゃんはこの日学校に来なかった。

私は優ちゃんが心配で仕方なく急いで家へ帰った。