わたしは昴と一緒に並んで帰り道を歩く。
「…………実空??」
振り向くとそこには優ちゃんがいた。
「優ちゃん……。」
「実空、少し話せないかな?」
「わたしは…優ちゃんに話なんてない。」
「…そっか!悪かったな!じゃあな!」
優ちゃんはそう言って無理に笑顔を作りわたしの頭をポンポンして去っていく。
「なあ、実空。いいのか?」
「わたし、優ちゃんと今更話すことなんてないもん。」
「……実空?俺が小さい頃から実空しか見てなかったように優も実空をずっと見てきたんだ。実空がそんなんだったら辛いだろ。実空、素直になれよ。」
素直になれって…そんなの無茶だよ。
「昴は…わたしに優ちゃんだけを見ろっていいたいの?」
「ちげーよ。実空がこうやって俺の側にいてくれるのは今でも夢みたいだしすげー嬉しい。でも…暗い顔の実空見てたら俺も辛い。だから…な?」
そう言うと昴はわたしの背中を押す。
何を伝えたいなんて分からない。
今優ちゃんにあってどうするのなんて知らない。でも…わたしの足は勝手に優ちゃんの元へと動いていた。
「優ちゃん!!」
優ちゃんは家の近所の公園のベンチに座っていた。
「……?! 実空!」
「優ちゃんが話あるなら聞く。」
わたしは優ちゃんと同じベンチに距離をあけて座った。
「実空…この間はごめんな?俺、取り乱してたな。」
「それだけ優ちゃんが柚奈さんのことが好きだったってことでしょ?あれが本当の優ちゃんなんだと思うよ。」
「あれから柚奈とは連絡とれないんだ。でも…俺と柚奈の限界だったんだと思う。迷惑かけてごめんな?」
「別にいいよ。」
「…ところで昨日どうした?実空探してたのに居なかったから。」
「……昴と出掛けてたの。」
「あ、そうなんだな!」