そして突然激しくドアが開く音がして階段を降りてくる。
私も慌ててソファから立ち上がる。
降りてきた柚奈さんは涙を流していて後ろからフラフラながらも一生懸命慌ててついていっている優ちゃん。
「ゆ、柚奈さん………?」
なんとか声をかけた私に柚奈さんは足を止めた。
「ふふっ、実空ちゃん。いままでたくさん迷惑かけてごめんね?でも…もう大丈夫。」
柚奈さんは涙を流しながらもわたしに笑顔を向けるとまた早足で行ってしまった。
「柚奈!!まてよ!柚奈!もう一回ちゃんと話そう!!」
けれどもフラフラな優ちゃんはもう限界で私は優ちゃんに肩をかした。
「優ちゃん?なにがあったの?」
優ちゃんは私の目を見ずに上の空。
「なぁ。実空、柚奈になんか言った?」
「え、なんもいってない。」
「んでだよ…じゃあなんで柚奈はあんなこと言うんだよ!」
ダメだ。優ちゃん、完全に取り乱している。
こんな優ちゃん、見たことない…
「優ちゃん?とりあえず落ち着こうよ、ね?」
「はは…俺には柚奈しかいないんだよ。だからこそ誰からも反対されてきたけど2人で乗り越えてきたし柚奈以外には見えなかった。俺は柚奈でいっぱいだった…」