私のほうを振り向いてはくれないのならば

きつい言い方でもいい。

優ちゃんから離れなきゃ……

「じゃあ優ちゃんさ…私と柚奈さんが両方困ってて助けて欲しいって言ったら優ちゃんはどっちに行く?」

「それは…」

優ちゃんは困った顔をした。

「もちろん柚奈さんでしょ?」

「…………」

「優ちゃんにはそんな両方なんて器用な事は出来ない、優ちゃんは…嘘ついた。」

「嘘?…」

「うん、あの約束忘れた?」

「…………?」

最悪………

忘れてるし。

私にとってあの約束は特別だった。

小さい頃から優ちゃんが大好きだった私…

小さいながらもいつかは優ちゃんとバイバイする日が来ることは分かっていた。

だけど優ちゃんが…

ーずーっと一緒にいよう。ー

そう言ってくれたから…

これからもずーっと優ちゃんといれると思っていた。

仕方がないとはいえ…

優ちゃんが言ってくれた約束を優ちゃんが忘れてるとは思ってもいなかった。

あの約束は私にとっては特別だったのに。

「あっ、そっか。忘れたならいいよ。」

私はそう言って昂の手を引いて走って学校へ向かった。

「なあ、実空!」

「なに?」

「お前、思ってもないこと言い過ぎだって!」

「だって!優ちゃん約束を忘れてたんだよ?最低だよ。」

「……実空はそれでいいのかよ。」

「昂?あんたは私の何?」

「………彼氏。」