「もしもし、実空?大丈夫か?」

相手は優ちゃん。

「昂が来たよ。」

「なら大丈夫か。俺行けなくてごめんな?怪我してないか?」

「大丈夫だよ。柚奈さんの側にいないといけなかったんでしょ?」

「…あぁ。いろいろあってな。」

ねえ、優ちゃん?

私は優ちゃんが柚奈さんといて幸せだとは思えない。

私は優ちゃんに幸せでいてほしい。

そう思うと私の足は勝手に動きだしていた。

「おい!実空どこいくんだよ!」

昂が必死に呼んでいても聞こえない。


ーピンポーンー

「はい。あ♪実空ちゃん♪」

松田家の家から普通の顔をして出てきたのは柚奈さん。

「優ねー?今お風呂入ってて…どうかした?」

「あの、柚奈さんにお話しがあるんです。」

「え?私?なあに?」

「あの、柚奈さんは優ちゃんの事を幸せに出来ているんですか?」

「え?……」

「答えて下さいよ!私は優ちゃんがかわいそうで仕方がないんですよ。」

「……………」

「別に俺はかわいそうじゃないよ。実空?どうした。」
髪型がびちゃびちゃのまま優ちゃんは出てきた。

「だって……」

「これは俺達の問題だ、口出さないでくれ。それに…言うなら俺に言ってくれ、柚奈に言うな。」

優ちゃんにこんなに言われたことない。

私は涙が溢れてきて自分の家へ入った。

もう知らない。

優ちゃんなんて大嫌い。

ープルプルー♪ー

「昂、なに?」

「あ、いや。もう家か?」