「名前は?」

「羽野…薫…です」

「羽野さんね。何歳?」

「15歳です」

「ガキじゃん!」

そう言って笑う男性店員。
いや、アタシの先輩にあたる人なのかな?
だとしたら嫌な先輩。


「ぁはは…」

「俺、成宮慎二ね!ちなみにそろそろ二十歳」

「あ、わかりました」

それだけ言うとアタシはさっさと裏方へ行った。

…ガキじゃん。
頭の中で何回も繰り返される成宮さんの言葉。
鏡を机にセットして化粧を始めるものの…
手につかない。
どうも腹が立って仕方ない。