そんな酷いことをしてきた太一が今更、何の用?

前のアタシなら少し期待してひょこひょこ付いて行くだろう。
でも今は違う。
アタシはもう太一を愛していない。

しばらく呆然とアタシはアタシの心の中を整理していた。


♪♪♪〜

テーブルの上に置いていた携帯が着信を知らせた。

[成宮慎二さん]


「はぃ…」

「あれ?元気ないな」

「え…あはは?」

「今から行ってやるから待ってろ!」

「成宮さん、バイト…」

「休んだ♪」

「あ、休んだんですか…」

「薫〜?何があったか話せない?」

成宮さんの優しさにアタシは涙を堪えずにはいられなかった。

「成宮さん……たす…けて……」

「薫…」

成宮さんは10分ぐらいで来てくれた。
家を出て、階段を降りると成宮さんの車が見えた。