アタシは荷物を持って太一の家を飛び出した。
頭の中で太一の言葉が何度も流れる。
腹立たしさもあったけど切ない気持ちが溢れてた。
そしてアタシの目からはとめどなく涙が溢れていたんだ。
その時気づいた。
アタシは少しじゃなくて本気で太一を愛してたってことを。

何でやっと好きになれた人がダメ男なんだろう…
アタシは太一のせいで恋愛に臆病になった。
あんなに酷い言葉を浴びせられたのにアタシは毎日毎日太一を想った。
太一からの連絡を
太一からの「ごめん」の一言を待っていた……

でもどんなに待っても太一からの連絡は来ることはなかった。

アタシはいつしか太一への恋愛感情を無くし、恋愛なんてそんなもの、男の子なんてそんなもの、とまで思うようになっていた。

そして人を素直に愛すことのできない、偽りだらけのアタシができたんだ……