結斗の部屋から出て玄関先へ向かうと手を掴まれた。

グイッと後ろに引っ張られて思わずよろめく。

「キャッ!」

誰かに抱き締められた。


「薫…」

「結斗…?」

「お前のことが好きなのはアイツ等だけじゃない…」

アタシを抱き締める結斗の力が強くなる。

「俺も薫が好きなんだ」

「結斗…アタシどうしていいか分かんないよ…」


「ここにいた♪結斗、抜け駆け?」

「太一、お前…」

「薫ちゃんがどうしてもほしいわけ。分かるよね?結斗」

「薫を幸せにできんのかよ」

「俺が薫ちゃん傷つけると思う?」