「ならいいってどういうことだよ」


中庭を通り過ぎる生徒や中庭でランチをしている生徒達は、ベンチの前で不穏な空気を醸し出してるあたし達をチラチラ見ている。


「突っかかるとこあるから、勉強まだしてないなら聞こうと思っただけ。だけど、勉強してんなら邪魔になるじゃん」

「なんでそんなこと言うんだよ…」

「…邪魔したくないから」

「お前は…。高校時代のお前どこいったんだよ」


廉は立ち上がり、あたしを抱き締めた。
周りにいた生徒達は、いろんな反応を示した。
一瞬周りが賑やかになった。
あたしはただ邪魔をしたくないだけ。
廉は一生懸命だし、あんまり時間を取らせることだけはしたくない。
テスト近いし。
迷惑をかけたくないだけだし。


「でも、いいから!もう1度考えるから!それでも無理なら…「俺に聞けよ?」」


あたしは頷いた。