廉は顔の前で両手を合わし、お願い!お願い!とあたしに言う。
あたしの口からはえー…と出る。
それでも諦めずにお願い!とずっと言い続ける。
同じ夢を追いかけてる者同士。
挫けそうになったとき、誰かが傍にいてくれるかどうかを考えると、あたしは廉しかいないと思った。
あたしが挫けそうになったときでも、助けてくれそうなの、廉しかいない気がするし。


「…いいよ。その代わり、絶対についてきてよね?別れるとか絶対言わないから、あたしからは」

「ありがとう!!マジサンキュ♪俺はやると決めたら、逃げねぇよ絶対。あぁ!別れない別れない!ずっと付き合う♪」


廉はあたしを思いっきり抱き締めた。
あたしじゃなく、廉がもし挫けそうになったら、あたしが助ければいいんだ。
いつもみたいに。
嫌み言ったり、バカにしたりすればいい。
いつものように接しながら、廉を支えればいいんだ。
あたしはそう思いながら、廉の背中に手を回した。
そっと、抱きしめるように。