「うわ…っ」

「危ねぇっ」

―ドサッ

成瀬は椅子の脚に引っかかり、体制を崩した。
俺は成瀬の腕を引っ張ったが、自分もバランスを崩し一緒に床に倒れた。
その反動で、俺と成瀬の唇が触れ合った。
俺はあまりにもびっくりして、凄い早さで体を起こした。
成瀬は上半身だけ起こし、目をまん丸に開けて、口を押さえている。


「あの、その、ご、ゴメン…!!」


すごい動揺する成瀬は、謝罪の言葉を口にした。
一方の俺は…唖然。
静止状態に陥っていた。
そんな俺をおかしく思った成瀬は、俺の傍により声をかける。


「ね、廉!おーい…廉!」