「…士…」


いつも成瀬、成瀬って呼んでるから、士って呼ぶの照れくせぇわ。
昔は普通に士って呼んでた…いや、こいつが士だけ名乗ったからか。
1人で笑っていると成瀬の体が動いた。
俺は今度こそ起きたか?と思い、成瀬の顔を見る。
成瀬はゆっくりと目を開けた。


「……廉……?」

「おう。おはよ♪」


状況が把握出来てないのか、上半身を起こし、目をこする。


「…あたし、なんでこんなとこいるの」

「熱あるから。急に動かなくなったと思ったら、熱あんだぜお前?」

「ああ、体調管理してなかったんだわ。帰んないと。郁の夕飯作んなきゃ」


そう言うと、成瀬は急いでベットから降り、歩き出そうとした。
そのとき…。