パンパンッと手を叩き、注目をあたしに向ける。
「こんな所で立ち止まってないで、さっさと校内に入って。他の人に迷惑掛かります!」
と言うと…。
「きゃー!士さんだー!」
「うわっ、成瀬さんだ!」
一斉に歓声が起きる。
隣にいた蘭ちゃんは鼻で笑いこう言った。
「人気者は困るねアハハ〜。ほーら、学校の人気者が散れって言ってんだから、さっさとどきな!」
べつに人気者ってはわけじゃないんだけどな…多分。
思いつつ、生徒を全員校内へ散らばした。
平穏な毎日。
生徒会の人間として。
1人の学生として。
過ごしていたのに。
わけのわからない転校生のお陰で、自分の人生が壊れるとは、これっぽっちも思っていなかった。