ん…そういえば今日…。
「今日なんか転校生来るって?」
「へ?そうだっけ?」
平坦な通学路をゆっくり歩きながら、昨日言われたことを思い出した。
言われたっけなぁと深く考え込みながら、隣を歩く蘭ちゃん。
気付けば通学路には、沢山の生徒で溢れていた。
おはよーと元気な声が行き交う。
あたし達と同じ方向に流れるように歩く学生と、その流れに逆らって人混みを避けて通るサラリーマンやら、他校の学生。
その流れにひときわ目立つ学生を発見。
あたしの学校は私立。
私立は校則が厳しい。
その目立ってる男子生徒を、蘭ちゃんに見てもらう。
「うちの制服だねあれ。つか、金髪ってうらやま!!」
「やっぱり。蘭ちゃん…そういう問題じゃないでしょ」
「す、すいません…」