「あ、ありがと。なれるかわかんないけど、努力はするから。母さん助けるためにも」
「うん!頑張って。あたしのことは気にしない!あたしはあんたを傷つけてきたんだから♪」
母さんはそう言って無理に笑った。
目の下クマが出来ている。
仕事が忙しい中、無理に空けてきたのかもしれない。
俺にこれを渡すために。
母さんは弁護士の仕事をしている。
ほとんど帰って来れないのが当たり前。
幼い頃、あまりの忙しさで遊んでもらった記憶すらない。
顔を見るとしたら月に1回くらい。
期待してもごめんの言葉しかもらえなかった。
なのに今回は…。
俺、母さんみたいに頭はあんま良くないけど、ちゃんと職に就いて、母さんを支えるんだ。
離婚した直後、そう俺は決心した。
母さんは悪くないんだ。
恨んでた時期もあったが、考え方を変えれば恨めなくなったし。
つか、すげぇとおもうし!
つかさとの約束というか、将来の夢も叶えたいと思ってる。
俺は母さんに再度礼を言った。
今日は誕生日だからと、母さんは俺に手料理を振る舞ってくれた。
俺はそれを感謝しながら味わって食べた。