ブーッブーッブーッ。
鞄の中の携帯が鳴った。
3回コールはメールの合図。
ディスプレイには郁と示されていた。
呼び出しかなとメールを開くと、まだかかりそう!待たせてごめん!との謝罪メール。
あたしはあの子らしいと思いつつ、待ってるからゆっくり探しなと返信を返した。
携帯をパタンッと閉めると、目の前に数時間前に別れたあいつが普通に座っていた。


「なに勝手に相席してんの」

「いや、店にいんの見えて。彼氏待ち?」

「は?弟待ってるの。あんた帰ってよ」


そう言ってるにも関わらず、不良くんは店員にアイスコーヒーを注文。
あたしは何気に自分が笑ってるのに気付いた。


「成瀬ってちゃんと笑えんじゃん♪」


と言われあたしは暑くなった。
五月蠅いと言ってあたしはそっぽを向く。


「てか、学校早退したくせに遊んでんの?悪いやっちゃなぁー♪」

「…うっさいばか」


こいつ…早く出て行ってほしい……。