「今日早退しなきゃいけないんだった!ごめん、残りのパン全部あげるから!あ、残りの授業寝ちゃだめだからね。それじゃ!」
言いたいことを俺に吐き捨て、すごい形相で走って出て行った。
形相が変わるほど、大事なのかよ。
面白過ぎて笑える、クク…。
俺も帰るか。
ポケットから携帯を取り出し時間をみる。
1時10分。
ちょうど教室に戻るのにいい時間だ。
俺はパンのゴミを片付け、あいつの後を追うように屋上を後にした。
夏休みまであと1ヶ月。
また止まっていた夏の思い出が動き出しそうな気がした。
つかさと俺の一夏の思い出が。