「2人で幸せな家庭作ろ!」

「え?どういうこと?」

「2人で自分が幸せだって思える家族作るの!廉もお母さん達と話せばいんだよ」


要するに、両親と話し合いをして関係を直そう。
みたいなことを言いたいらしい。
つかさはニコニコしたまま俺を見て、俺は少し俯いていた。
たった1日一緒に過ごした見知らぬ子がこんなにも心を開いて、俺のことを心配してくれた。


「…話してみるよ?」


つかさは大きく頷き、あたしも頑張るねっと俺に言った。
お互いの家庭がボロボロなのを知った俺達は、その問題を中心に仲良くなっていった。
昨日お母さんが!とか弟がねとか、毎日話して盛り上がったのを覚えてる。
つかさ、大きな瞳を持っていて、人を癒してくれる力持ってて、少し茶色が混じった長い髪、右の頬にはヘアピンぐらいの傷がある。




それが俺が知ってる一夏だけのつかさという人物だ。