「今度こそ、絶対離さなねぇから」
「頑張ってください?♪」
あたしは立ち上がって、廉に背を向けて歩き出した。
廉はあたしの後ろ姿を見つめているだけ。
あたしは不思議に思って、振り返り片手を廉に差し出した。
「家に帰ろ?郁がカレー作って待ってるよ」
「…おう♪」
伸ばしていた手を廉は握り、あたしに引っ張られるように歩き出した。
あれ?荷物は?と荷物を持ってない廉に聞くと、来る前にお世話になる弟君に預けたと言った。
今日から1週間、廉はあたしの家に泊まる。
名古屋に行くのは面倒だとあたしが言ったところ、廉から会いに来てくれたんだ。
3年ぶりに。