「ね、名前は?」

「へ?」


女の子は沈黙を破るように、俺の名前を聞いてきた。
また大きな瞳で俺を見て。


「海東 廉」


そう言うと女の子は今まで真顔だった顔を、一気に満面の笑みを浮かべた。


「あたし、つかさ!」

「あ、う、うん…よろしく」


あまりの変わりように驚いた。
その後、俺とつかさはいろんなことを話した。
家族のことも、どこに住んでるのか、自分の将来の夢とか、明日からここで遊ぼうとかそんなこと暗くなるまで話して。
あいつさ、家族の話したらびっくりすることを言ったんだ。