あたしは仕事場を後にすると、最寄り駅に向かった。
バックから携帯を開いて時間を確認する。
6時03分。
6時だと言うのにすごく空が明るい。
そりゃ夏だもんね。
携帯を閉じようとすると、メールが受信された。


『早く着きすぎた。待ってるから』


たった1行の素っ気ないメール。
あたしは苦笑い。
すると無意識に、大人なんだから、もっとましなメール寄越せ。
ボソッと口に出てしまった。
改札を抜けて、ホームに向かう。
地元に帰んないと。
あの人が早く着きすぎて暇してるみたいだから。