コンコンッ
ガチャッ
「自分に何かご用でしょうか?」
「今日はもう上がっていいわ。約束あるんでしょ?」
「え…いんですか?まだ仕事沢山あるのに」
「いいわよ♪いってらっしゃい」
あたしはありがとうございます!と頭を下げた。
園長の部屋を出て、先程いた部屋に戻る。
中にいる先輩達に、先に上がることを言って着替えに行く。
なんだかかんだあった5年前。
傍にいろバカと言ったあたし。
好きでいろバカと言った廉。
あの思い出の場所で。
そのあとのあたし達は、何度も将来のことに悩んだ。
何回も何回も言い合いして。
何回も悲しんで、辛い思いして。
大きな壁にぶつかって。
そんなことで立ち止まっていたあたし達は、まだまだ子供だったと、今大人になったあたしは思ってる。
まだ未熟な子供。
大人のなりかけのあたし達を。