「廉…っ」
家に入った瞬間、俺に勢いよく抱き付いた士。
「何も連絡ないしっ、電話繋がんないしっ…心配したんだ!!わかってんの!?」
「…ごめん」
俺は強く抱きしめ返した。
罪悪感にかられながら。
士は離れて、俺を見て気まずそうに言う。
「だいたい知ってる。美佳さんから聞いた。お父さんと会ったんでしょ?」
静かに頷いた。
士が言うには、母さんに父さんから連絡があったという。
廉を追い詰めてしまうほど、ものを言ってしまったと。
母さんはそれを聞いた瞬間激怒。
今回は父さん自身も反省したのか、すごく謝ってたらしい。