「れ、廉!大丈夫か…!?」
傍に寄ってきて俺を見る。
目の前にいる父さんに、俺は顔を上げて言った。
「…俺は…父さんの何なの…?ただのおもちゃなのかよ…」
一気に父さんの顔は悲しみに染まる。
「…すまない…言い過ぎた」
俺をソファーに座り直さして、頭を下げて謝る。
謝るぐらいなら…最初から言うなよ…。
言わないでくれよ…。
父さんはさっきの男を呼び出し、家まで送るように指示する。
「廉、考えといてくれ。頼む」
そう言うと、俺を立たせ男に引き渡した。
俺は許さねぇから…とボソッと言って、ふらふらしながら、父さんの家を後にした。
お互い、悲しみに染まった顔をしていたと思う。
そこからの記憶は、次の朝を迎えても覚えてなかった。