「俺は諦めたくない!確かに父さんが言ってることはわかる。わかるけど俺の人生。それにここで諦めたら、今までやってきたことが全部無駄になるんだ!!」


ここで諦めたら…全てが水の泡だ。
士と一緒に積み重ねてきた日々が。
全部、全部無駄になっちまうんだ…。
俺は膝の上に置いていた両手を、ぎゅっと握り締めた。


「代償は必要だ。廉、跡取りになるんだ。悪いことは言わない」

「…イヤだ」

「廉!!」


バンッ

あまりにも納得しない俺に怒ったのか、テーブルを両手で思いっきり叩いた。
俺は少しビクッとなる。


「いい加減にしろ!無駄な物は無駄だ。安定した仕事に就くべきだ!」