「…どこに連れてく気だ…俺はあっちは戻んねぇって言ったぞ!」


助手席に座る男に投げかける。
身を乗り出そうとすると、隣にいる大柄な男2人に取り押さえられるが。


「お前には何としても跡取りになってもらう」

「っざけんな!俺の人生勝手に変えんな!」


暴れたりしても、肩を押さえられ身動きの制限が邪魔をする。


「お前の人生は産まれたときから決まっている」

「…ふざけんな…。息子に言うような台詞かよ!!仕事のことしか考えてねぇから、母さんにも捨てられんだよクソジジィ!!」


そう言うと、ミラー越に俺を睨みつける。
目が合った瞬間、俺の背筋がゾゾゾッと凍り付いた。
また俺を不愉快な目で見て。


「口の効き方を叩き込まなければな…」


俺はあんたの子供なのに…。
あんたはなんで俺を軽蔑した目で見るんだよ…父さん…。