「今までありがとね」
「は?何いきなり」
肘をテーブルの上についていたあたしは、下を向きながら郁に礼を述べた。
不思議に思った郁は熱でもあんのかよ!と、ケラケラ笑い始めた。
「専門入ってから、あんま相手してないし。多分これからもそうなるかもしれない。何としても、あたしは夢を叶えたい。だから、郁との時間がとれないと思うの」
「士…」
笑ってた郁の顔は、一気に悲しそうな顔になる。
犬がシュンとなるように、元気がなくなり、スプーンを持つ手は膝の上に落ちる。
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