そんな空気を壊すように、担任はわざと大きな声で俺に話しかける。
俺になんやら教科書やらなんやらを差し出して。


「仕方ないやっちゃなぁ。まぁいい。ほれ、学校で使う物だ。これからよろしくな!」

「あーざす。あ、よろしくお願いします♪」


俺は教科書等を受け取り、担任が付いて来いと言うので後を追った。
出るときの教師達の目線が痛かった。


「お前の教室は4階O1Aだ。階段上がって廊下の突き当たりだ」

「あ、はい」


とんでもなくこの学校は金持ちで、とんでもなく校内が広い。
迷路のように広い。
生徒手帳の校内案内見ても、わけわかんない。
実際に歩いても迷うと思う。
にしても、教室や廊下、もちろん教室内だって綺麗に保たれてる。
普通なら、落書きやゴミが落ちてるはずだろ。
あと、ロッカーは凹んでたり、傷ついてたりとか…それもない。
クーラー、暖房管理とかもすごい。
流石私立だな。
俺はそういうことに驚きながら、教室までの道を歩いた。