「…夜は1人ダメだ…」

「…は?そっち?」

「怖い。うん。でも、今2人だからへーきだけどね♪」


こいつはタダ単に、俺を迎えに来たくせに夜1人ってのに怖がっていただけ。
俺が叩かれた意味だろ…。
2人になったことが嬉しかったのか、気分がよくなった士はさっさと歩く。
また1人にならないように、俺の手を握りながら。
俺は黙り、そのまま士について行った。
数分すると士の家に到着。
時計の針は夜の22時を指していた。


「遅くなっちゃってごめんね?」


ポストを確認し、玄関の鍵を開けながら士は言う。
家に入るなり、おじゃましまーすと言い上がる。