廉side


「大丈夫か?」

「…大丈夫、なんとか」


5時半、夕日が差し込む誰もいない教室。
俺達は士が落ち着くまで席に座ったまま。
泣いてないと思ったら、ガチで泣いてたという。
俺がマジで大丈夫かよ!?って言ったら、我慢してたのか、めっちゃ泣き出しやがった。
号泣して、泣き止まないこいつのため、ずっとここでなぐさめてる。


「あ゛ー…ごめん、ありがと」

「ったく…高校のお前はどこ行った」

「調子上がんなくてさ。ホントごめんね?」

「…べつに、いいけど」


やっと少し笑顔を取り戻した士。