「お前、何に急かされてんの」

「は?何いきなり」


一旦ピクッと体をびくつかせた士。
止まることなく動いていた、シャーペンを握る手が一瞬止まった。
動揺してるのか?図星だから?


「べつに」

「…あんまニュースとか気にすんなよ」

「え…?」


多少動かしていた手がピタリと止まった。
そして、目を少し丸くし驚いた顔を俺に向ける。
俺はそんなことわざと気付かないふりをして、前を向いたまま話を続けた。


「みんなニュース見てビビってるけど。気にしない方が身のためだぜ?」

「…なんで知ってんの」

「お前みたいに落ち込んでる奴らの原因がニュースだからだよ。士もそうなんじゃないかって思ってさ」


士を気まずそうに俯いた。