「でもね…何でかな?あんま悲しくなかったんだよね。強がってんのかなとか思ったけど涙出なかったの。」
清々しい顔で話す彩乃。
「でもね、亜紀君の顔見た途端に泣いちゃった。それからかなぁ?亜紀君意識してるの…。」
「それって…」
「うん。亜紀君が好きなの。」
きっぱり言う彩乃。それだけ亜紀君が好きなんだ。
「馬鹿だよね。陽太の次は亜紀君で…。陽太も本気で恋してたのにすぐ亜紀君好きになってさ。有り得ないって自分でも思うけど…もう止めれないんだよね。この気持ち」
「彩乃…」
「あは。まだ内緒だよ?いつか自分で伝えるからさ。でも知花にばれるなんて…私、結構顔に出るんだね。気をつけないと」
悪戯っ子みたいな笑顔。
「彩乃…」
「ん?」
「別に有り得なくないよ。気持ちって自分のでも難しいもん。私もさっき実感した。好きって気持ちは止まらないよね。それは皆同じだよ。彩乃もそうなんだって思ったら嬉しい。
私、応援するからね。彩乃が応援してくれた位。だから何でも言ってね?何も出来ないかもしれないけど。相談なら乗れるから。彩乃は自信持っていいよ。だから頑張ってね。」
「…知花…」
勢いよく喋ったから息が乱れた。
「ありがとう。」
でも彩乃が嬉しそうに笑ったから…息が乱れたのも別にいいや。