病室に戻ると、翔がこっちに座れよと言って、りんの枕元の椅子を指差した。
俺はその椅子に座って、意識のないりんを見つめた。
りんが生きていることを教えてくれている機会音だけが響く部屋。
先に口を開いたのは、翔だった。
「兄貴、何て言ってた?」
「あぁ・・・いろいろ・・・」
そう言って黙ってしまった俺に、翔が何かを言いかけた時、病室のドアが開いて、涼くんが翔を呼んだ。
「翔、ちょっと来てくれないか?」
「わかった。聡、梨花のこと頼む。」
そう言って、翔は涼くんと一緒に病室を出て行った。
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