「待って!」

あたしは、ドアを閉めようとしている聡くんの腕にしがみついた。

「これ・・・聡く・・・あ・・・山下くんに・・・」

そう言ってあたしは、オルゴールの入った袋を聡くんに無理矢理渡そうとした。
でもその袋は、聡くんの手に渡ることはなく・・・
ガチャッと鈍い音がして、そのまま床に落ちてしまった。

あ・・・

「は、早く帰れ!」

そう言った聡くんは、その場に呆然と立ち尽くすあたしを残して、ドアを閉めてしまった。