次の日、講義が終わった時に、兄貴から電話がかかってきた。

「すぐに病院に来てくれ!梨花が倒れた。」

病院へ駆けつけた俺が見たのは、酸素マスクを付けられてベッドに横になっている梨花の姿だった。

「なんでこんなことになったんだよ・・・」

祈るように梨花の手を握る俺。

「わからない・・・でも、駅前のショッピングセンターで倒れたらしい・・・なんでそんなとこに・・・」

ホント、なんでだ・・・

「翔、梨花のこと頼むよ。」

そう言った兄貴は、午後の診察が始まるからと、病室を後にした。