-Nazuna side-
「梓ー! なずなー!」
5月の末。初夏の優しい風が木の葉を揺らす、そんな時期。
温かい太陽に負けないくらい元気な声が、私達の名前を呼ぶ。
「ナツ、どうしたの?」
梓ちゃんはその姿を捉えるなり、そう尋ねた。
「お前等さ、俺等と一緒に遊園地行かねぇ?」
「「遊園地?」」
突拍子もないそのワードを、私と梓ちゃんは共に復唱する。
遊園地なんて、何年ぶりだろう。昔はよく、家族4人で遊びに行ったっけ。
そんなことを、何となく考えていると。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…