-Nazuna side-


眩しい眩しい日差しに包まれた、日曜の朝。


ついに、この日がやってきた。


梓ちゃんが上手く取り繕ってくれたおかげで、幸い私は後日テストを受けることができた。


憐くんがいなかった時間は、やっぱり寂しくて、会いたくて、もどかしくて。


でも、不思議と辛くはなかった。


まだ彼の温もりが、記憶が、私にはたくさん残っているから。



「……あ」



ふと、窓の外を見る。


広がる青い空と雲。


それと。



「飛行機……」



――そして今日、彼は遠い空から帰ってくる。