-Nazuna side-



午前7時3分。


空港のロビーについた私は、左手にある腕時計を一瞥する。


……大丈夫だよね。


飛行機の出港時刻まで、あと1時間弱。


それは、憐くんと話が出来るタイムリミット。


お願い神様。私を憐くんと会わせて……!


謝らなきゃ。


そして、ちゃんと想いを伝えたい。


私の胸の中にある、全部を。


5年前の後悔は、もう味わいたくないから――。


憐くん……。


ドキドキと煩い心臓に拳を当て、私は必死になって憐くんの姿を捜し始めた。