-Azusa side-



遂にやってきた、夏休み。


7月末と言うだけあって、とてつもなく暑い。


空に見える太陽には雲一つかからず、力強く地上を照らしている。


……この日は、あたしがずっと待ち望んでいた日。


なんとなんと、いつものメンバーでプールへ遊びに行くことになっているのだ。


勿論、部活は休み。


あたしは、なずなと一緒に2時間もかけて選んだ水着を取り出すと、じっと眺めた。


モノクロのドット柄で、胸に大きなリボンが1つついているのが、凄く可愛い。


さすがにビキニは恥ずかしくて、キュロット付きにしたけれど。それでも。


……少しは褒めてくれたり、しないかな?



「よし!」



小さく声をあげて、水着を鞄につめる。


淡い期待を抱きながら……そして決意を秘めながら、あたしは鞄を片手に家を飛び出した。