-Nazuna side-
「えー、事前に予告していた通り、今日は文化祭の出し物について決める。ここからは文化委員に任せるから……吉野、井原、頼んだぞ」
「「はい」」
7時間目の、LHR。
私達は、来月……6月17日に開催される文化祭に向けて話し合いをしている。
この学校では1年生は模擬店、2年生は劇、3年生は展示をする決まりだ。
つまり、2年の私達は劇をするわけで。
「何か案がある人はいますか?」
教卓の前に立った吉野くんは、私達に問う。
さすがは“お祭り男”と称されるだけあって、その目は文化祭へ向けて一直線だ。
……何がいいかなぁ。
「はい」
その時、1本の手が挙がった。