-Nazuna side- 「今から皆に転校生を紹介する」 朝のSHRが始まって、すぐだった。 待ちに待ったこの時。 ぽつりと放たれた担任の言葉を皮切りに、生徒達はさんざめく。 そんな中に、私もいて。 ……噂の転校生の姿を、ついに見られる時が来たのだ。 胸の高鳴りが止まらない。 「どんな人だろうね」 「うん! 楽しみだなー」 なんて、前の席の子とクスクス笑い合う。 ――そして。