「むむむ…」と段々混乱してくる頭の中。

それに応じるように、首も徐々に傾げていって。



「七海さ。この髪、自分でやったの?」


「うひゃあっ!は、はい!?」



気づけばすぐ隣に空くんがきていた。



「なにをそんなに驚いて……。走ったのに、よく崩れなかったな」



空くんはそう言うと、綺麗に巻かれて、「暑いから」とお兄ちゃんにアップにされた髪をジッと見つめる。


そういえば、あれだけ走ったのに、崩れてないや……。

さすがお兄ちゃんだなぁ……。


ドキドキと鳴る胸を押さえながら説明しようと、「えっとね…」と口を開く。

すると、横にいた葉月が目を輝かして近づいてきた。