「この前のテストが28点……なにをどうやったら、そんな点数がとれるんだよ?」



“水原”と呼ばれた男の子は本を閉じると、ガタンと立ち上がる。

そしてカウンターから出てきたと思うと、あたしの目の前で止まった。


うわ……身長、高い……。

座ってるから気づかなかったよ…。

あたしが150ちょっとしかなくて、30センチくらい高いから…180超え?


長身の風見先生と水原くんに挟まれて、見上げる首が段々痛くなってくる。

プルプルと震えながらそれに耐えていると、高い位置からあたしを見下ろす水原くんは、小さくため息をついて。



「あんた、バカ?首痛いなら見上げなくていいのに。……いいですよ、引き受けます、俺も復習になるだろうし」


「ば、バカって……」



そう言いながら、グッと上から押さえつけられた頭。

すると、痛かった首が少しマシになって。


あたしが首痛いの、気づいてくれた……?


なんて、頭を押さえる手に、思わずキュンとした。